文字サイズ
第10回かながわ福祉サービス大賞

かながわ福祉ビジョン2040とは?

かながわ福祉サービス振興会は、大きな転換を迎える2040年代を見据え、どのような環境となっても誰もが前向きに歳を重ねていけるよう、将来の福祉サービスと地域社会の姿を神奈川県で実現することを目指し、「かながわ福祉ビジョン2040」を策定しました。

【かながわ福祉ビジョン2040概要】

■予測されている未来

・総人口は減少するものの、高齢者の人口は増加
※0~14歳の人口は1980年代から、15~64歳の人口は1995年以降減少
※65~74歳と75歳以上の人口は増加し、2040年代にピーク見込
・高齢単身世帯、高齢夫婦世帯の増加:高齢者の5人に1人は一人暮らし
・男性の約4割が90歳まで、女性の2割が100歳まで生きる時代
・死亡者数の増加(約168万人/年:1日当たり約4,600人)
・高齢者増加に伴い要介護(要支援)認定者数の増加、認知症高齢者増加
・約4.6万人の介護職員が不足       等
 
■2040年に向けて
このような未来が予測されている社会で、私たち福祉に関わるひとりひとりが未来に向けて求められることは何でしょうか?
それについて考え、行動していくことが「かながわ福祉ビジョン2040」です。
これらの問題に対し、「すでに対策始めているよ!」や「ちょうど今から変えていくよ!」ということを皆さんとシェアして、神奈川県の福祉の未来を切り開いていきましょう。

次に紹介するのは、私たちが考えた「6つの切り口」をまとめたものです。参考にしていただけると幸いです。
それぞれのアイコンをクリックすると、詳細がダウンロードできます。
 

1.頼り合える社会~誰もが自分らしく生きるために(地域創成)
想像してください。病気になっても、介護が必要になっても、安心して暮らせる街。誰かを気にかけ、みなが誰かと支えあい、頼りあうことを自然なことと思える街。
それは、けっして「奉仕」と「自己犠牲」の街ではありません。その地域に住み続けるなかで、時には自治会で、時にはNPOで、さまざまな場所を自由に人びとが出入りし、自己実現と、いまの誰かの困りごとと、自分自身の未来の安心とをつなげるために、知恵を出しあう街です。
そんな街ができれば、「頼りあえる社会」となれるのではないでしょうか。
 

詳細はこちら

2.「福祉サービス」から「生活サービス」へ(新しい福祉の創造)
老後の豊かな暮らしは、福祉のニーズやサービスだけではなく、家族や友人、あるいは趣味や地域活動などとの付きあいかたによっても大きく左右されます。「生活サービス」の視点からは、隣人どうしが一緒に出かける、食事をする、趣味の時間を楽しむといった「関わりあい」をどのように保障していくのかが大切なテーマとなるのではないでしょうか。

詳細はこちら

3.学び合いがつむぐ「共にある心」(住民参加)
福祉従事者のみならず、地域のメンバーがゆるやかに資源を持ち寄って集まる社会では、実践のプロセスで、参加者の間にさまざまな「関係」が生まれます。この「関係」は他者の能力や個性を知る格好の機会を与え、まわりの人たちの生きづらさや困りごとに対する「感受性」を高めていくことでしょう。同時に、仕事や年齢、障がいの有無にかかわらず対等な立場で交流する場が増えていけば、サービスの利用者であっても、自分の知識や能力を生かしてアシストする側に回る意欲を持てるようになりますし、実際に福祉の現場ではそうした光景が頻繁に見られます。
お互いを知りあうことで「共にある心」を育み、関係性が生まれていくのではないでしょうか。

詳細はこちら

4.人を育て、地域を育てる(人財育成)
三世代同居時代であれば、愛する人が年老いて、病におかされ、いなくなることを、日常の暮らしのなかで学ぶことができました。しかし、核家族化が進み、若い人たちが福祉の現実に接する機会は、めっきり少なくなってしまっています。
だからといって公教育をつうじた人材育成は、国や社会の求める人材を強制的に育てていく危険性をはらんでいます。ですから、地域社会を、子どもと大人が相互に学びあう場ととらえ、本来の意味の“care(=気にかける)”を通じた教育から子どもたちが多様性を学んでいくプロセスを大事にすべきではないでしょうか。

詳細はこちら

5.行政よ、事業者よ、プラットフォームビルダーになれ !(共創)
かつてのような経済成長が期待できず、自己責任で生存・生活の「必要(ニーズ)」を満たしていくことが難しくなるなか、これまでの行政主導の社会保障では対応できない地域課題が次々とあらわれています。こうした変化は、行政の役割もまた、変えずにはおきません。それを私たちは、「サービスプロバイダー」から「プラットフォームビルダー」へと表現してきましたが、この変化は、行政という存在を「グランドデザイン(大きな旗振り役)」から「プラットフォームデザイン(基盤を作る黒子)」の主体へと変えることを意味します。つまり、既存のサービスを必要とする人たちに届けることと同時に、地域のアクターが課題解決に挑む「自治」の力をどのように育んでいく時代になっていくのではないでしょうか。

詳細はこちら

6.私たちが変わるために大切なこと(基本的な考え方)
改革の提言をするのは簡単ですが、それを実践していくためには、行政や事業者、そして、福祉にかかわるすべての人たちの意識変革が必要であり、また、改革をさまたげる要因、非効率性を生みだす要因についての検討も行わなければ、実効性のある提言とはなりえません。
一人ひとりが異なる価値観を持つのは、当たり前のことです。そのような多様な主体が自分自身の将来と、地域全体の将来とを重ねあわせながら、同質性や一体性にとらわれすぎない「共在観(a sense of togetherness)」をもてるよう、私たちは未来を見据えねばなりません。
もちろん、すべての問題を一度に解決してくれる魔法のスイッチはありません。ビジョンを持ちつつも、その時々に必要となる目標を柔軟に掲げながら、あるべき未来に向かいつつ、行きつ戻りつを繰り返す、そんな、20年後に向けて絶えず変化し続ける福祉こそが私たちに求められるのではないでしょうか。

詳細はこちら

ページトップ